昨日と、今日で、前にも少し上げていた、一泊旅行に行ってきました。
4日 土曜 土曜日は、いつもどおりにデイの活動を行い、それから、15時くらいになると荷物などの最終チェックです。予約表、お金、雨具、着替え、他にも忘れ物がないかチェックしていました。今回が、この仕事での旅行の初参加のため、うまくいけるか緊張していました。
僕の主な役目は、予約先とのやり取り、利用者さんたちから預かったお金の管理、スケジュールを立てる、などがメインです。(もちろん介助も役目です)
16時を回ったくらいに出発です。はじめは、マイクロバスに乗っている最中にみんなから「退屈です。」とか言われるかもしれないと思い、秋の歌の歌詞カードやビンゴゲームなどを用意していましたが、デイの活動で疲れているのか、みんな静かにして寝ている人もほとんどでした。
僕は助手席に乗りながら、小中学生のころの遠足や修学旅行を思い出していました。あのころは、先生の指示に従って、わくわくしながら、バスの座席に座って、バスが動き出すのを楽しみにしたりもしていました。
今では、スケジュールを立てたり、人を誘導したりといった立場です。
高速を降りて、町に着くと、1週間前に下見に来た時には異例だった彼岸花が枯れてきていました。少し残念です。
旅館到着 旅館に着くと、他のスタッフが皆さんや荷物を降ろしている間、僕は、フロントに行き、チェックインを済ませ、みんなの部屋の鍵を預かりました。大勢でのこういったことをするのは初めてですが意外と緊張しませんでした。
それから荷物を部屋に置いてくると、広間へ行き、夕食を食べました。ワカサギの揚げ物などがおいしかったです。はじめは、皆さん、あまり盛り上がらず、食べたり、少しずつ飲んだりしていましたが、少し酔った人が、歌いだすと他の人も曲を入れて歌う人が出てきました。
ある二人の利用者さんたちが、「銀座の恋の物語」をデュエットしていましたが、男性も女性も関係なく歌い合っています。
また、普段は無口で無表情な人も、歌が好きなようでみんなの前に出て歌って表情が緩んでいました。(その瞬間はカメラで撮らせてもらいました。)
夕食も終わると、みんな部屋に戻り、僕は、手足の動かない人(Aさん)と、軽度の認知症の人(Bさん)との三人で部屋に戻りました。二人ともその日は入浴はいらないとのことでした。
まずBさんはリハビリパンツ(おむつのように失禁を防ぐもの。違いは、おむつは広がっている状態から、張り付けていくような感じですが、リハビリパンツは、普通のパンツと同様にはくものです。)をはきかえるとそのまま横になりました。
次はAさんです。車いすのまま上半身の服を脱衣して、ベッドへ移乗させ、おむつにはきかえ、あとは浴衣を着てもらいました。その後は二人とも、明日に備えて寝るとのことでした。
僕が、お風呂に入って部屋に戻ると、Aさんが暑がって汗を少しかいていました。少し窓を開け、タオルで汗をふきましたが、Aさんはこの日は暑がり、Bさんはいつも寒がりです。室内が二人ともがちょうどいいくらいの気温になるまで起きておくことにして、大体このくらいだと思い、横になりました。
けれども、Bさんはいきなり起きて、徘徊する恐れもあるうえに、Aさんは重度の身体障害のため、寝ている態勢を変えたい等があれば、僕がいないと何もできない状態です。そう安心して寝付けませんでした。少し、寝付きそうになっても、なかなか眠れず、ときどきBさんが立ち上がったので、トイレに誘導したりもしました。
夜中にAさんが、僕を呼んできました。どうしたかと聴くと何度も尿が出て、おむつから漏れて、浴衣まで濡れているとのことです。僕はすぐに、着脱介助を行いました。その人は「僕は、昼とかはあまり、でないけれど、夜にはたくさん出るのが普通で」とおっしゃっていました。
僕は、普段デイサービスで働いているため、朝から夕方くらいまでのことしかほとんど見たことがありません。その人は、僕が勤め始めた時から、いる人ですが、夜には大量の尿が出るのが普通だとは初めて聞きました。旅行に来たことで今まで知らなかったことの一つが分かったといえます。
Aさんは何度も、「すいません、迷惑かけますな。」と僕に申し訳なさそうに言っていました。僕は、全然平気ですよ、と言いましたが、こういった時はどういう言葉をかければ人は一番落ち着くのかが気になります。
5日日曜 それから僕は、6時半前に起きました。外はあいにく雨がパラパラと降っています。自分の準備を整えるとAさん、Bさんのほか他の部屋のメンバーにもそろそろ起きるように声をかけていきました。もう起きている 人もいればパンツ1枚で寝ていてなかなか起きない人もいました。
皆さんが起きたのを確認すると、僕もAさんBさんを連れて、広間に行き朝食をとりました。
それも終わると、荷物を部屋から出して、鍵を集めてチェックアウトをすることにしました。ただ、チェックアウトの直前に、家族や近所の人のお土産を買いました。以前、お土産をくれた人や、もうすぐ子供が生まれそうな人もいますので。
旅館出発 それからチェックアウトを済ませると、マイクロバスに乗って次のところへ向かいました。雨は早朝よりも少し強くなっています。それでも行くことにしました。行き先の場所には、世界遺産を小さくしたようなものがたくさんありました。(例えば、凱旋門は2,3階建も建物くらいの大きさで、自由の女神は普通の人間より少し大きい程度のものでした)
ある建物の中には、数百体はありそうな人の像がありました。その像の手のひらにライトの光を当ててお化け屋敷みたいにして遊んでいる人もいました。
利用者さんたちが「すごい、すごい」と声を上げていたのは、中国の天安門を見立てたものでした。
僕も、雨だからと言って中止せずに見に来てよかったと思いました。
途中の道で、この季節にカエルがいました。何人かはゴキブリなどを見たような反応をしていましたが、皆さんはカエルは見るのも嫌ですか?僕は平気ですが。
いくつか集合写真などをとり、ある程度見まわすと、お昼にするため、予約してある喫茶に向かいました。そこで、ハンバーグやカレーなどをそれぞれ食べました。結構いい味でした。
施設へ出発 昼食も終えると、そろそろ帰ることになりました。みなさんの感想は、短い時間のハードスケジュールだったけど楽しかったとのことでした。「夕食の歌が楽しかった。」「すごいもの見て、海外に行ったような気分」といった声も上がっていました。
相変わらず、雨が降っています。けれどまた、ほとんどの人が寝ているので、サービスエリアなどには寄らずにそのまま施設に向かいました。
終了 高速を降りると、ガソリンを満タンにして、施設に着くと、順番に送迎を行い簡単に荷物を片づけると、今日は解散になりました。
今回は、旅行には初参加で、しかも単に介助だけでなく、いくつかのことをやらせてもらえまして、いい経験にもいい思い出にもなったと思います。僕自身も旅行を楽しませてもらえました。
明日も仕事ですが、頑張ります。